音楽ネット配信、急拡大 DVD生産額抜き、2番手に

(2008年2月22日 朝日新聞)

着うた

音楽ソフトの販売で、ネットでの配信の売上高が、音楽DVDの生産額を抜き、CDアルバムに次ぐ2位に浮上した。牽引(けんいん)するのは「着うた」など携帯電話やスマートフォン(スマホ)での配信だ。音楽CDの生産額も減っており、音楽の手に入れ方が急に変わっている。

日本レコード協会

日本レコード協会が2008年2月21日発表した調査結果によると、国内のレコード会社の楽曲について、ネット音楽配信の2007年の売上高が前年の534億円から41%増えて754億円。一方、同協会の別の調査では音楽DVD(一部ビデオを含む)の生産額は568億円から578億円の微増にとどまった。音楽CDは3445億円から3271億円に減っている。

スマホ

成長の原動力が携帯電話・スマホ経由のサービス。楽曲の一部を聴ける「着うた」や一曲丸ごと聴ける「着うたフル」などで、レコード協会の調査では売上高の9割にあたる680億円を占める。一方、パソコンでの利用は1割。携帯のネット利用環境が整った日本特有の成長の仕方だ。

NTTドコモ

うた・ホーダイ

携帯電話会社のサービス競争も利用を後押しする。NTTドコモは、2007年5月に楽曲を定額でいくらでも取り込める「うた・ホーダイ」を開始した。

au、ソフトバンク

2002年に他社に先駆けて「着うた」を始めたKDDI(au)は2007年2月、携帯に鼻歌やCDの曲を聴かせて楽曲を検索できる機能を提供した。ソフトバンクは、情報料無料でお勧めの「着うた」を配信するサービスを2007年3月から提供している。

著作権
違法配信

レコード会社もネット配信への対応を急ぐ。業界内には著作権を侵害する違法配信への懸念も残るが、CDの売上高が2007年まで9年連続で減る中では、「唯一、大きな成長が期待できるジャンル」(レコード会社関係者)だからだ。

ユニバーサルミュージック
コロムビアミュージックエンタテインメント

ユニバーサルミュージックは、新曲をCD発売前に「着うた」で数カ月前から先行配信するなど宣伝に利用。コロムビアミュージックエンタテインメントも携帯向けの販売額を1曲税込み31円と通常の3割に下げ、童謡やクラシックなど今までダウンロードが少ない楽曲を売り込む。各社とも、サイトで人気が出た楽曲をCD化するなどCDの販売を増やす狙いもある。

iTunes

<携帯電話のネット音楽配信> KDDI(au)が2002年に「着うた」を開始し、2004年には「着うたフル」をスタート。NTTドコモやソフトバンクも追随した。一般的な1曲の税込み価格は着うたが105円、着うたフルが315円。欧米では米アップルの配信サービス「iTunes」から携帯音楽プレーヤー「iPod」に取り込むスタイルが中心だ。(田副暢宣

ドコモ、定額制のうた・ホーダイ

(2007年4月24日 読売新聞)

聴き放題

ナップスタージャパン

NTTドコモは2007年4月23日、毎月決まった料金で携帯電話に音楽を何曲でも取り込める新サービス「うた・ホーダイ」を、2007年5月から始めると発表した。携帯向け音楽配信は、1曲ごとに課金するKDDIの「着うたフル」が人気を集めているが、ドコモは「聴き放題」の手軽さで追い上げを狙う。ナップスタージャパンも2006年10月、パソコンに取り込んだ音楽を携帯でも聴ける定額制サービスを始めており、KDDIが先行する携帯向け音楽配信は今後、競争が一段と激化しそうだ。

月315円から

ドコモの「うた・ホーダイ」は、2007年5月から順次投入するFOMAの新シリーズ「904i」の5機種で対応する。今後、対象機種を拡大する計画だ。

ドコモは2006年6月、KDDI、ソフトバンクモバイルに追随する形で携帯向けの音楽配信サービスに参入した。今は他の2社と同じく、1曲あたり300円前後を課金する仕組みだが、「聴き放題」のメニューを追加することで、競合他社との差別化を狙う。

レーベルゲート
USEN

開始当初は、八つの音楽配信サイトが対応する。このうち、ナップスタージャパンは月額1980円で、洋楽を中心に30万曲をそろえる。このほか、国内レコード会社が共同出資する「レーベルゲート」なども対応する。利用料金はサイトによって異なり、月315円~1980円だ。有線放送最大手のUSENなども2007年夏以降、ドコモ向けに定額制配信を始める計画だ。

着うたフル

番号持ち運び制度

音楽配信で先行するKDDIは2004年に「着うたフル」を開始後、携帯に取り込まれた楽曲数は2007年2月末で1億曲を突破した。2006年10月に導入された携帯電話の「番号持ち運び制度」では、KDDIは2007年3月まで他社からの転入が転出を6か月で上回る「一人勝ち」が続いている。最新のヒット曲も販売する「着うたフル」を目当てに、他社から切り替える動きも「勝因」とみられている。

ヘビーユーザー

ただ、毎月多くの楽曲を取り込むヘビーユーザーは、ドコモやナップスターの「定額制」を支持するとの見方もあり、KDDIは価格戦略などで対応を迫られる可能性もありそうだ。

「904i」シリーズ

ドコモは「904i」シリーズで、二つの電話番号とメールアドレスを1台の携帯で公私などの用途によって使い分けられるサービスも提供し、定額制と併せて巻き返しを狙う。

音楽配信の市場規模

日本レコード協会によると、2006年の携帯電話向け音楽配信サービスの売上高は、前年比49%増の482億円と急増した。「着うたフル」は179億円と2・5倍に急成長している。

米アップル

iPod(アイポッド)・iPhone(アイフォン)

また、米アップル社は、携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の機能を内蔵した携帯電話「iPhone(アイフォン)」を2008年にはアジア市場に投入する見通しだ。携帯と音楽プレーヤーの「融合」が進むなか、携帯各社のシェア(市場占有率)争いは、音楽配信サービスで顧客のニーズをつかめるかどうかも大きなカギを握りそうだ。(島田雄貴 イー・アクセス

ドコモ、夏商戦向け端末の新シリーズ5機種を発表

(2007年4月24日 日刊工業新聞)

2in1(ツーインワン)

NTTドコモは2007年4月23日、携帯電話業界の先陣を切って夏商戦向け端末の新シリーズ「FOMA 904i」の概要を発表した。一つの端末で二つの電話番号などを使い分けられる「2in1(ツーインワン)」サービス対応など、新機能を標準搭載した端末5機種(写真)を2007年5~6月に発売する。

富士通、NEC、シャープ、パナソニック

904iは三菱電機、富士通、NEC、シャープ、パナソニックモバイルコミュニケーションズの5社が製造。価格はオープンだが、店頭での実勢価格は当初3万円台半ばとなる見込み。

追加料金
複数名義の契約

新機能となる「2in1」は、月額945円の追加料金で電話番号とメールアドレスを一つの端末に二つ持たせることができる。仕事用と個人用など、これまで2台の端末で使い分けていた機能を一つにすることで利便性を高めた。904iでは同一名義での契約のみだが、今後個人と法人名義など複数名義の契約にも対応させる方針。

直感ゲーム

音楽を定額でダウンロードできる新サービス「うた・ホーダイ」対応機能も標準で搭載した。これに合わせてナップスタージャパンが月額1980円で約30万曲から自由にダウンロードできるサービスを始める。またゲームの新しい遊び方として、携帯電話を振ったり傾けて操作する「直感ゲーム」対応機能も搭載した。

同番号移行(MNP)

会見した夏野剛執行役員は「同番号移行(MNP)でドコモは守りに入ったと言われたが、他社がまねできない新機能で反撃に転じる」と述べ、2007年夏商戦での巻き返しを表明した。